インド車両電動化の今(1/3) = 政策編 =

日本のお家芸の1つである自動車業界にいま訪れているCASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)の嵐はインドにも吹き荒れている。インドは、最大手マルチ・スズキ社を筆頭に日・韓・印・独・中の四輪自動車OEMが鎬(しのぎ)を削る、世界有数の激戦市…

インドにおける5G導入

2019年12月末、インドの電気・通信・情報技術関連省庁を統括するRavi Shankar Prasad大臣は「5Gトライアルには全てのプレイヤーが参加可能」との見解を表明し、実質的に、米中ハイテク摩擦に揺れる中国通信機器大手・華為技術(以下、Huawei)と中興通訊(以…

インド・アニメ市場の今

2019年9月下旬、とうとうインドにも日本アニメが上陸した。新海誠監督の「天気の子」である。インド人の若者を中心に5万5,000名超のオンライン署名が集まり、8月に新海監督自らTwitterでインドでの上映をアナウンスしたのである。 (オンライン署名:https:/…

インド政府系シンクタンク・Niti Aayogとは

2018年12月下旬、インド政府系シンクタンク「Niti Aayog(the National Institution for Transforming India)」は「Strategy for New India@75」レポートを公表。今後8-9%の経済成長率を維持し、独立後75周年にあたる2022年にGDP 4兆ドル、2030年までにGDP …

モディ・ケア ― BOP 5億人のための医療保険制度改革 ―

9月下旬、Ayushman Bharat(*1)と呼ばれる国家健康保護ミッション(The Pradhan Mantri Jan Arogya Yojana (PM-JAY) )が開始された。モディ首相が「Game Changer」と呼ぶ重要施策であり、インド国内では賛否両論あるものの、大きな話題を呼んだ。本稿では、…

スタートアップ・インディア -インド・スタートアップの今ー

去る10月下旬にインドIT業界団体NASSCOMが公表したレポートによると、2018年1~9月にインドには1,200社超のテック・スタートアップが新たに生まれ、合計約7,700社にのぼるテック・スタートアップが現在活動しているようである。インキュベーター・アクセラレ…

メイク・イン・インディア - 政策と企業事例 ー

世界に保護主義の波が押し寄せて久しいが、米中欧の動きに危機感を覚えるインドもその動きを強化している。 インド政府は直近1年で度重なる関税引き上げを行ってきた。消費者製品に限ってみても、2017年12月のスマートフォン・テレビ等電子機器、2018年2月の…

FDI(外国直接投資)規制 -対印投資の現状ー

2018年のEase of Doing Businessランキングが発表された。インドは昨年の100位から23位順位を上げ、190ヶ国中77位にランクインした。モディ政権による税制改正などの施策が功を奏した形といえるであろう。今後益々、外国資本の流入が期待される。今回は対イ…

デジタル・インディア ― デジタル活用によるリープフロッグ

インド中央政府は全ての公的機関に対して、国民からのデジタルペイメントを受け入れることを義務付ける方針のようである。筆者の住むデリー首都圏では、鉄道・メトロや有料道路等において既にカードやモバイルによるデジタルペイメントが受け入れられている…

インドの財閥 ― Fortune Global 500

インドの経済界を俯瞰するにあたって、財閥の存在は避けて通れない。17年7月に発表されたFortune Global 500にはインド企業7社が選出され、リライアンス・インダストリーズとタタ・モーターズがそれぞれ203位、247位にランクインした。ランクインした民間企…