インド政府系シンクタンク・Niti Aayogとは
2018年12月下旬、インド政府系シンクタンク「Niti Aayog(the National Institution for Transforming India)」は「Strategy for New India@75」レポートを公表。今後8-9%の経済成長率を維持し、独立後75周年にあたる2022年にGDP 4兆ドル、2030年までにGDP 5兆ドルを目指すという目標を掲げている。
その実現に向けた政策提言の内容は、(2019 年下院選を意識してか)主に地方・農村部を意識した狙った内容となっている。(目新しいものは不在)
(政策提言内容の一例)
・農業従事者の所得倍増
・モディケア(Ayushman Bharat)の確実な実行
・Make in Indiaの加速によるSTEMエコシステムの確立
・フィンテック・ツーリズム等のセクター立ち上げ
インドにおける中央政府の政策方針を汲み取る上でNiti Aayogの言動をチェックすることは欠かせない。Niti Aayogは2015年に設立された政策提言機関であり(正確には旧Planning Commissionの後継組織)、会長職にモディ首相が就いていることからも推察される通り、政府の政策立案に関して多大な影響力を有している。
例えば、
・2017年に一部巷を騒がせた2030年までの100%EV化(その後撤回)
・十数年赤字を垂れ流し続けてきたAir Indiaの民営化(応札者不在で失敗)
・インドコンテクストでの Maas(Mobility as a service)促進
など枚挙に暇がない。
Niti Aayogには「Knowledge and Innovation Hub」と「Team India Hub」との2つの組織が存在する。Knowledge and Innovation Hubは所謂シンクタンク機能として政策提言を行う組織であり、他方、Team India Hubは中央政府と州政府の間を取り持ち、中央政府の政策を州政府の政策・実行へ橋渡しをする組織である。
必ずしもNiti Aayogの政策提言通り政府の政策立案が行われるわけではないが、政府の各種政策はNiti Aayogの提言に基くケースが多い。まさにインドの「頭脳」として機能している組織である。
インド事業に携わるビジネスパーソンとしては、モディ首相のTwitter
Narendra Modi (@narendramodi) | Twitter
に加え、Niti AayogのTwitter
NITI Aayog (@NITIAayog) | Twitter
もフォローしておくべきであろう。
参考:
Home | (National Institution for Transforming India), Government of India | NITI AAYOG